9/28(土),29(日)に東京のきゅりあんで行われた全日本チームチェス選手権に参加してきました。チーム選手権には個人としても、京大チェスサークルとしても初めての参加で、同期のYには「まあ勝ち越しできたらいいよね~」と冗談気味に話していました。
この記事では、自分の棋譜を6ラウンドを簡単に振り返りつつ、当時のチームの状況、戦績についても触れていけたらなと思います(他のチームメイトの棋譜についてはこの記事では詳しくは触れません・・・数名記事を書いてくれる予定なので悪しからず)。京大からの参加メンバーは5名(Y, Araki, M, U, Z)で、1,2番ボードはY, Araki固定で、他3名で3,4番ボードを回す形にしていました。また、チームのスタート順位は31/54位でカテゴリーAにギリギリ入っていたため、カテゴリーA優勝も密かに狙っていました。
R1 Chiba Chess Shinken Group
チームのスタート順位が下半分(28-54位)の上位だったため、初戦はスタート順位4位!!のChiba Chess Shinken Groupと対戦。1番ボードが史上最強の某CMで、2番ボードの方も全日本で惨敗した記憶があり、とにかく少しでもポイントを取りに行くぞ!!と意気込んでいました。
しかし現実問題、チェスはやる気だけではどうしようもないものであり、いつの間にか黒の盤面は弱点だらけ。この時点では負けを悟っていたが、リザインするにはまだ早く一旦落ち着いて隣を見ると、死地に送ったはずの1番ボードのYがかなり善戦していて正直びっくり。これはキャプテンとして意地をみせるしかない・・・!!
気合いでピースを清算して何とか1ポーンダウンに抑える。若干危ない形をしているものの、ルークの位置が絶妙で即負けはないと確信。ルークを1枚交換してf5ナイトさえどうにかすれば、キングをセンターに潜り込ませて何とかなりそう(小並感)。
狙い以上に事が進み、最終的には相手の時間切迫にも助けられ、クイーンサイドのポーンストームからbポーンが止まらず勝ち。完全にラッキーを拾った試合でした。1番ボードはエンディングに入った時点でイコールだったらしいですが、マスターのエンディング力で捲られて負け。3番ボードのMさんがFIDE1900相当の方にドローをとり、チームとしては1.5-2.5で惜しくも負け。
R2 Machida promotion
R2は町田チェスクラブの方々と対戦。相手チームのユニフォーム?のデザインが良くて始まる前からどこか負けた感じがしました…笑。次また京大チームとして出る際は何か作りたいですね。
試合は相手にIQPを持たせる展開に。ちょうど先月の研究会でIQPをテーマにしたばっかりだったので、勉強したことを基に堅実に指していく。ツービショップを捨ててでも、駒交換を進めd5ポーンを弱点にすることで白が戦いやすい…はず。この後はd5ポーンを落として1ポーンアップを維持してエンディングで勝ち。隣を見ると3番ボードのMさんは、相手をこれでもかと攻め続けて最後はクイーンアップまでもっていってた、アンタは鬼か。4番ボードのZも順調に勝ち、よしよしと思っていた矢先、1番ボードがまさかのピースダウン。何とかなるかなと思ったが、相手のポーンが止まらず負け。チームとしては3-1で勝ち。
R3 Capture
R3はNature, CaptureのCaptureと対戦。相手の3,4番ボードの方々とは学生合宿で面識があり、特に3番ボードの方とは大会の度に対戦していた記憶があるので、今回はボードがずれていてよかったです笑。
試合の方はロンドンの駒組に対してダッチクラシカルで対抗、お互いキングサイドから攻める陣形なので真正面から殴り合う形に。黒の陣形はかなり怪しかったが、g6さえ抑えとけば白の短期的な攻めは続かない。
Q交換してNvsBエンディングに、ポーンの色やKの位置的に黒超有利。勝ったなガハハ。落ち着いて指して勝ち。3,4番ボードのU, Zは負けてしまい、1番ボードは今度はピースアップ!!するも相手の対応がうまく逆転負け。チームとしては1-3で負け。
Day_1 終了
1日目終了時点で、個人は3勝!!、チームは1勝2敗で折り返しに。カテゴリーAだしこんなもんか、明日チームで2勝できたら御の字だなと考えていました。1番ボードのYが初日全敗で、皆とご飯すら食べようとせずに速攻でホテルに戻ろうとしたときは、頑張れ~何のために1番ボードを任せたと思ってるんだ、海に沈めたるぞ(^^)と思いつつも、結局皆で大井町駅前のいつもの場所でご飯を食べました。調子良くないときって1人になりたくなるけど、1人にならず周りに頼ったが良いと思うんですよね、特にチーム戦は周りの士気にも関わりますし。
(予約していたホテルの予約日が間違えて1ヶ月先にしていて、宿泊難民になっていたのはまた別の話…)
R4 Tokyo Bilingul Chess Club B
気を取り直して2日目。R4は東京バイリンガルチェスクラブのチームBの方々と対戦。このクラブは1番ボードにコーチ1名+若手3名で構成されていて、また1番ボードは大変そうだな~と横目で見ていました。
今回の対戦相手は2023年のJapan Chess Classicで戦ったことがある方で、変なことしなければ勝てるぞ…と臨んでいたのですが局面が案外難しく、緩手と分かりつつも盤面整理のためにここで10. … Bxb6? (解析では緩手どころか悪手判定でした…)と指しました。ただこのままでは、相手にツービショップを持たせて、なおかつe2のビショップはバッドビショップでまずいなぁと焦っていました。
そんな思いとは裏腹に、無難に良い位置にピース展開していくと、中盤で相手の大悪手を引き出すことに成功。ピースアップして勝ち。正直この勝ちもラッキーを拾っただけかもしれない…。3,4番ボードのU, Zは共にチェックメイトで勝ち。3番ボードのUは大会自体が初めてだったため、これがチェス人生における大会初勝利でした、おめでとう!!!(ようこそチェスの沼へ)。1番ボードも1ポーンアップの同色B+Rエンドを勝ち。チームとしては4-0!!で勝ち。全員勝利で良い出だしが切れました。
R5 King Shogi Chess School
R5はベテランチームKing Shogi Chess Schoolと対戦。相手の1番ボードは今年度のシニアチャンプの方で、2番ボードの方も見覚えしかない強豪。ここでこのチームと当たってしまうのか…と対戦前は唸りました。将棋未経験からすると、将棋指しの攻め力は恐怖でしかない。
白微良しの状況が続き、上記の局面に。正直ツービショップの盤面支配力を生かしてゆっくり攻められていたら潰れていました…。相手の悪手に適切に対応して、黒からは確実にドローが取れる局面に。
チームメイトの状況を見ると、4番ボードのZは早々とドロー、1番ボードのYはちょっと苦しそうな局面。3番ボードは相手がキャスリングせずにガンガン攻めるスタイル。さっきは将棋指しの攻め力は恐怖でしかないといったが、残念ウチのMさんも将棋指しなんだなこれが。Mさんは派手な殴り合い(というより一方的な蹂躙にもみえたが…)を制して勝ち。持ち時間残り10分全てを使って残る1番ボードの行く末を見守っていたが、まだ終わりそうになく、2番ボードはここでドローに。1番ボードは相手に2コネクテッドパスポーンを譲る形になり相当危なかったが、相手がミスをして奇跡的にドローに、なんで?。ともかくチームとしては2.5-1.5で望外の勝ち。
R6 Osaka Abeno Chess Club
ここまでで3勝2敗、次負けてもポイントとしては十分すぎるが、最終戦でまさかの大阪阿倍野チェスクラブと対戦。ほぼ身内。どこかで当たる可能性はあると思っていたが最終戦とは…。2番ボードの相手は今年に入ってから公式戦4回目!!全て白番にも関わらず1勝2敗と負け越していたので、個人的なリベンジも兼ねていました。
俺自身の棋風がどちらかというとアタッカーではなく、堅実に微差を広げていくタイプなため、なんでこんな攻めているんだろう…と不思議な感情になっていました。勝ちたいという気持ちが先行しすぎたかもしれません笑。ただやはり気持ちがどんなに昂ってもアタック力が上がるわけではなく、最初で最後の絶好のチャンスを見逃してしまいました(本譜ではここで19.Re3と指しました。この手でもまだ白良しですがもっと良い手があります、ぜひ考えてみてください)。
チャンスを逃し、途中負けもあり得ましたが何とかドローに。1番ボードのYはなぜか負けそうな局面でドローが成立(??)。3番ボードは序盤から派手な展開が続き若干Mさんの方が良さそうな局面に。4番ボードのUは非常に苦しそうで既にセンターポーンがプロモーション間近。だがここでまさかの相手の時間落ちで勝ち。素直に喜べない勝利ではありますが、これでチームのドロー以上は確定。
こういう状況になったときに、事前にチームメイトにはドローを取りに行ってチームの勝ちを優先するか、個人の勝ちを優先するかは各々の意志を優先してほしい、と伝えていたのであとはMさんに託すのみ…のはずだったが、Mさんは4番ボードの明らかに負けている盤面で試合が終わったのを見て、must winの状況と勘違いしていたらしい。それが功を奏した??のかは知りませんが、Mさんは1ポーンアップのルークエンディングを勝ち。チームとしては3-1で勝ち。
Day_2 終了
全6ラウンド終了。結果は、まさかのチームとして4勝2敗でカテゴリーA優勝でした!!全体でも10位とかなりの好成績を残せました。カテゴリーAでの入賞はいけるだろうと踏んでいましたが、優勝までとれるとは。特に2日目はチーム3戦全勝、さらにチームメイト5人とも負けなしと異様な成績を誇りました。
また、初戦格上に勝ったことで密かに狙っていた個人のボード賞ですが、4勝2ドローで5.0/6ptと個人では初の大会通して負けなし!!でしたが、タイブレークの差で残念ながらボード賞はもらえず。5.5/6ptならば単独1位だったらしいので、最終ラウンド勝ち局面があったのにも関わらず勝てなったのがやはり悔しいですね。ご本人には次こそ勝ちます!!と宣言してきました笑、また対戦する機会があればよろしくお願いします。
改めて、全日本チームチェス選手権を開催してくださった日本チェス連盟の皆様、大会スタッフの皆様、および戦ってくださった全チームに感謝申し上げます。最高の思い出になりました。いつかオープンで優勝できるようチーム一同邁進していきます👍
コメント