こんにちは、荒木です。大学院の院試直前ですが気分転換(現実逃避)に記事を書いています。今回は7/13-16に東京のきゅりあんで行われたジャパンチェスクラシック2024に参加してきました。スタート順位は55/124位(FIDE1770)、去年初めて参加したクラシック2023では後半怒涛の滑り込みで3.5/7ptだったため、今回の目標は4.0/7pt or 配信ボードにしていました。
まず、今大会でのお気に入りの手がこちら↓是非よければ皆さんも考えてみてください!解答はすぐ下に貼っています。
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答えは Rf6 !! でした。黒キングの位置が絶望的で、gxf6ではQxh6 or Rxf6 から黒キングの逃げ場がありません。本譜ではルークを取らずにKh7と相手が指しましたが、それに対してはRxh6+ともう一回ルークをサクリファイスする手が強力で相手には有効な受けがありません。実践中にRf6を発見したときは動悸が止まりませんでしたね笑。lichessのタクティクスだったら迷わず指すのですが、90+30では攻めに1つでも抜けがあると実質敗北なので30分近く使いました。
閑話休題。3日目まで終わり、6試合指し終えた時点で3.5/6pt。R1とR4はともに致命的な負け方をしてしまいました(反省反省)が総合的には悪くなく、勢いそのまま最終ラウンドも勝つぞーと臨んでいた矢先…まさかの2017年全日本王者と対戦することに。一緒に京都から出場した同期のYがR3でCandidate Masterに粉砕されたのを見ていたため、あまり過度に期待しすぎずいつも通り指そうと決心して最終日を迎えました。
今までURばかりだったのに最終戦で2000+きた、院試前の貴重な4日間割いて東京にきた甲斐があった pic.twitter.com/gtrDPhcFqZ
— Araki (@La_293) July 15, 2024
R7 N.K. – Araki
1.c4 e6 2.g3 f5 3.Bg2 Nf6 4.Nf3 Be7 5.O-O O-O 6.b3 d6 7.Bb2 e5 8.Nc3 c6 9.c5 e4 10.cxd6 Qxd6 11.Ng5 Nd5 12.Nh3 Bf6 13. Qc1 Be6 14.Ba3
全日本から愛用しているDutch Classicalで始まり、白がセンターを取りに来ず、黒からe5が突けたため黒悪くないと確信。ただ少し展開が不十分なのとDutchの脆さ(fポーンを自ら突くためアクティブな反撃を喰らいやすい)から注意しなければなーと考えていた直後にテンポを取られる。ここでc5では白の攻めが始まるだけなので、Nb4オンリー。
14. … Nb4 15. Nf4 Bf7 16.d3 exd3 17.Rd1 Qc5?
クイーンをc3のナイトに当てつつ更にc1のクイーンも狙う。c3ナイトが動けばクイーン交換できて、まあa3のビショップが怖いぐらいで他は大丈夫だろうと考えていたが、指した直後にNe4 Qxc1 Nxf6+!と先にチェックを入れる変化があることに気付く。この変化だとb4のナイトがお荷物なのと相手にダブルビショップがあるのに対し、こちらにはダブルポーンがあるので(笑)かなり厳しいですね・・・幸いこのラインは指されず。
18.Nxd3 Qxc3 19.Qxc3 Bxc3 20.Bxb4 Bxa1 21.Bxf8 Kxf8 22.Rxa1
一直線でエンディングに。ポーンの色が白マスに多い以外は悪いところがなく、むしろクイーンサイドにポーンが多いためチャンスは黒にあると感じました。
22. … Na6 23.Kf1 Rd8 24.Ke1 Bd5 25.Bh3 g6 26.Nf4 Nb4 27.Kd2?!
ルークの斜線に自らキングが入ってくる。相手が割と早くパッと指したため、それは流石に強気すぎないか?と思い必死にディスカバードアタックを探すも見つからず、その短時間で全て計算の内なのか・・・と格の違いに思わず唸っていました笑。とはいえキングの侵入をのこのこと許す訳にもいかず、気を引き締め直して考えます。
27. … Nxa2! 28.Kc2?? Be4+ 29.Kb2 Rd2+ 30.Ka3 Nc3 31.Bf1 a5
27手目黒のNxa2は黒有利を築くためのオンリームーブで、白はナイトをすぐには取れません。脳内盤では28.Nxd5 Rxd5+ 29.Ke3 Nb4 30.Rxa7 で1ポーン交換だけどクイーンサイドで有利か?と考えていましたが本譜では相手の悪手を引き出すことに成功。連続チェックから31. … a5を指したときは大会特有の謎の自信も相まって勝ちを確信していました。
32.b4 axb4+? 33.Kxb4 Nd5+ 34.Nxd5 Bxd5
解析によると32手目黒のaxb4+は悪手でNb5+からもっと早い攻めがあったみたいですが、この盤面が強制できることと、この盤面が黒勝ちであることがはっきりと見えたのでaxb4+を選択しました。あとはゆっくりbポーンを進めて勝ち。
35.Kc5 Kg7 36.Ra7 Rb2 37.f4 Kh6 38.Kd6 b5 39.Ra1 b4 40.h3 b3 41.e4 Bxe4 42.Ra7 Rd2+ 43.Ke5 b2 44.g4 Rd5+ 45.Kf6 fxg4 46.hxg4 b1=Q 0-1
総括
R7を勝利!!! したので大会の最終結果は4.5/7pt(30位!!)。直前の全日本ラピッドでも6.0/9ptだったため、2大会連続で好成績を残せて非常に大満足です。何よりFIDE2000+に勝てる実力が身に着いたことが嬉しいです。同期の大学生たちが強すぎて(FIDE2000+がたくさん・・・)感覚がマヒしていますが、少しずつ着実に棋力を上げていきます。次は難波オープンに出場予定です。出られる方はよろしくお願いします。
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