明けましておめでとうございます。柳井です。
サークル代表が東海オープンに参加し、活躍しているようですね。彼の試合の棋譜は、近いうちに彼が戦記を投稿すると思うので楽しみに待ちましょう。
今回は私がオンラインで指したブリッツが、Caro-Kannの嬉しい勝ち方No.1のような試合だったので、軽い感想戦も交えながら紹介しようと思います。3+2のゆるーい試合ですので、そのつもりで読んでいただけると幸いです。
1.e4 c6 2.d4 d5 3.Nc3 dxe4 4.Nxe4 Nf6 5.Nxf6 dxf6 6.c3 この辺りは定石通り。強いていうなら黒の4…Nf6が伝統的な指し方と異なりますが、個人的に4…Nf6は、オーソドックスな4…Bf5よりも決定打が多いイメージです。
6…Bd6 7.Bd3 O-O 8.Qc2 Re8+ 9.Ne2 h5 オープニングに関しては、深く、わかりやすくまとめてある書籍や動画があると思うので割愛させていただきます。ざっくりいうと、6. c3は後のBd3,Qc2,Ne2を準備するもので、6.Nf3と比べると、白の駒組はアグレッシブで柔軟です。また、9…h5は、白がh4とついてきた時の硬さという面でh6やg6よりも評価できます。
10. Bd2!?
普段あまり見ない手。通常ならば 10.Be3とします。どちらも狙いはO-O-Oでしょうが、Be3はd4ポーンを支えるので、後々c4を突きd5のマスを押さえることが出来る分良いのでしょう。まぁこの試合では関係なかったわけですが…
10…Be6 11.O-O-O b5 12. Kb1 Nd7 黒はd5,c4のコントロールを強めることを意識。白のキングの動きは若干不要な気もしますね。過去にc1-h6のダイアゴナルから負けたトラウマでもあるのでしょうか。
13.Nf4? 黒のポーン形が悪いのでエンドゲームへ!…という発想は正しいですが、これで黒はd5,c4のマスをかなり強く押さえることができます。ちなみにこれは、白のビショップがナイトのように両色のマスを狙えないのが理由です。
13…Bxf4 14.Bxf4 Nb6 15.b3?! a5 16.Bf5?! Nd5?! 白は全体的に弱気です。f5で交換するのも、クイーンがキングの守りから引きずり出されてしまうのでよくないです。黒はテンポを稼いでf4を取れたので、あまりミスをした雰囲気はありませんでした。ここでビショップがb3に引けないのも、白の15手目の受け身な姿勢が響きました。
17. Bxe6 Nxf4 18.Bf5 Re2?
焦りすぎ!18…a4などでキングサイドを崩すべきでした。Rd2で黒の攻撃を止められるというのがキーポイントでした。
19.Qc1?? Qd6?!またもや白の受け身な姿勢が仇となります。a3を視野にいれ、ナイトを守るQd6は、緩手とはいえ強力です。
20.g3 Nd5 21.f4? b4! 22.Rd2 Nxc3+ 23.Ka1?! a4! 記号が多くて読みにくいのではないかと心配していますが、改めて1手ずつ振り返りましょう。まず20.f4は駒損回避を狙ったのでしょうが、そんなことをしている場合ではありません。すぐに黒のc3を狙う応手によってさらに危ない局面へ。23手目で黒はa-fileに風穴を開け、チェックメイトへ一直線!
24. Rxe2 Nxe2 25. Qe3? axb3 26. Re1?? 白もパニクっていたのでしょうか。目隠しチェスでもしているのかというような手が飛び交います。26…Rxa2+ 27.Kb1 Nc3+ 28.Qxc3 (28.Kc1 b2+ 29. Kc2 b1=Q#)bxc3 29.Re1# チェックメイト白勝ち。
…ということはなく、29…Qf8で黒は敗北を免れました。30. Bh7+ Kxh7 31. Rxf8や、30. Rxf8+は、進みすぎた黒のb,cポーンを止めることはできません。白はここで投了しました。
最後はf8のマスにクイーンが効いていることを自覚していなかったので、焦りましたね。(笑)何はともあれ、短めの試合だったものの、それなりに基礎的なポーン形やポジショナルプレーの攻守をカバーできた、内容ある試合だったのではないかと思います。
ここまで、お付き合いいただきありがとうございました。読んでよかったと思えていただけたなら幸いです。また、いい試合ができた時に人知れず投稿していきたいと思います。
柳井
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